世界の年金基金から学ぶ!長期・分散・積立投資の重要性

世界の年金基金から学ぶ!長期・分散・積立投資の重要性

皆さんは日本の年金が株式や債券などで運用されていることをご存知でしょうか。

実は日本を含め世界中の年金基金の多くは運用されており、年金資金を増やしているんです。

今回は世界の有名な年金基金となっている日本、ノルウェー、アメリカの3つを例にして運用方針とそのパフォーマンスをご紹介したいと思います。

年金基金の運用資産規模

・GPIF(日本の公的年金基金)

驚くことに日本の年金基金は世界最大規模を誇っており、運用総額は約150兆円となっています。

・ノルウェー政府年金基金

日本に次ぐ世界最大級のファンドです。
約100兆円もの資産を運用しており、約500人の専門家が運用に携わっています。

・カリフォルニア州退職年金基金

米国最大級の公的年金ファンドです。
約160万人が加入しており、運用資産は約40兆円になります。

年金基金の運用方針

年金基金の運用は国民の将来の生活を支える非常に大切な資金です。

そのためリスクを低くしながらも、じっくりと着実に資産を増やしていく運用方針をとらなければなりません。

ただし、国民性などを背景にして各国のリスク許容度は異なっており、日本が保守的な運用をして元本を守っているのに対してアメリカは積極的に利益を狙っています。


リスクを抑えた運用方法

先ほど年金基金は低リスクでありながらも資産を増やしていっているとお伝えしましたが、いったいどのように運用しているのでしょう。

その答えは長期・分散・積立での資産運用です。

運用を任されている機関によってリスク許容度が変わってきますが、長期・分散・積立の3点はいずれも共通しています。

・GPIF

株式と債券の割合が5:5程度になっているのが特徴です。
日本の場合は長きに渡り国内の債券を中心に運用を行ってきましたが、最近では海外の投資資産への投資を増やしてきています。

・カリフォルニア州退職年金基金

先進的な投資手法や投資商品の組入れを積極的に行っており、運用資産の半分以上を世界中の株式に分散させています。

・ノルウェー政府年金基金

原油収入を定期的に積み立てており、その資金を世界中の株式や債券、不動産と幅広く投資しています。
その投資対象は約74カ国9200銘柄に及びます。

このようにして年金基金は投資対象を分散させながらも長期的な投資成果を最大化できるよう運用しているんです。

相場が急落からといって慌てて「長期・積立・分散」の資産運用をやめてしまったりはしません。

決めている投資方針に従って資産運用を続けていきます。

運用のパフォーマンスは?

ここまでお伝えしてきた3機関の運用成績は実際のところどうなのでしょうか。

・GPIF

過去10年間(2009年~2018年)の運用成績は年率で+5.1%となっています。

国内債券中心のかなり安全な運用にしては良い結果と言えるのではないでしょうか。

・カリフォルニア州退職年金基金

過去10年間(2009年~2018年)の運用成績は年率で+9.7%となっています。

積極的に株式で運用して収益まで獲得しており、現在は世界中の投資家から注目されています。

・ノルウェー政府年金基金

過去10年間(2009年~2018年)の運用成績は年率で+12.2%となっています。

運用を開始した1998年から2020年までの累積パフォーマンスは約3倍となり、リスクを抑えながらも大きなリターンを得ていることがわかります。

いずれの機関もリスクを抑えながら長期に渡り資産を拡大させ続けています。
もちろん年率のパフォーマンスが良い方が短期的には値動きが荒くなるので、そこはどの程度のリスクを取れるかによって株式や債券などへの投資配分を変える必要があります。

今回のデータで大事なことは長期間、投資対象を分散させながら積み立てて投資することで資産を増やしているという事実です。

まとめ

資産運用には「長期・積立・分散」が大切と聞いたことがある個人投資家は多いと思いますが実行できている方は少ないのではないでしょうか。

運用リターンがマイナスになると不安を感じてしまうかもしれません。

特に相場全体が急落した時は「もう投資なんて辞めてしまおう」と考えたくなる気持ちもわかります。

しかし、資産運用は毎日値上がりしていくものではありません。

10年など長期で見てみると相場環境により上げ下げを繰り返しながらも資産は成長していきます。

過去のデータから10年後のトータルリターンでは大きなプラスになるということを頭において長い目で資産運用することが大切かと思います。