私はこれまで証券会社の営業として数多くの個人投資家の方々とお会いしてきました。
そして日本では投資で損したという話をする人はいても儲かったという話をする人は少ないように感じました。
実際に日本の個人投資家の7割は損していると言われています。
今回はこの理由を考えていきましょう。
そもそも投資で資産を増やすには・・・
まず、当たり前の話なのですが利益を出すには情報収集や勉強、そして経験が必要になってきます。
そしてそれらを頑張ったからと言って確実に儲かるという世界ではありません。
しかし、資産運用はしっかりとした手法をとっていれば個人の資産形成においてかなりの効果が期待できることも確かです。
投資は怖いものや悪いものと考えている方、または投資をしてみたが損したから辞めたと話される方はこの大前提の部分を理解していない可能性が高いです。
株式で儲かったという人が少ない理由
1. 他人をプロと信じて自分で学ぼうとしない。
私はこのパターンが最も多いのではと感じています。
世界に目を向けるとアメリカを中心に義務教育で金融の知識を学ぶ国も多いのですが日本ではこの環境が存在しません。
なので自発的に勉強する必要があるのですが実際のところ大半の人は学ぼうとしません。
また、学ぼうと思いビジネス書を読んだとしてもその後に実行に移せる人も1割程度でしょう。
それに加え、銀行や証券会社など金融機関の人はプロだから大丈夫と謎の信頼感で言われた通りにしているという方も多く存在しています。
しかし、これは大きな間違いで金融機関の営業員は販売のプロであって運用のプロではありません。
特に若手社員の中には驚くくらい知識がない状態でお客さんに提案している人もいるんです。
これでは利益を出すのは難しいですよね。
2. 自分から資産運用していると情報発信している人が少ない。
投資で安定して利益を出している人ももちろん存在しますし、株式で富を築いた方も存在します。
しかし、この人たちが自分からこのことをアピールすることは少ないです。なぜなら大抵は家族やお金持ちのコミュニティの中だけで話したりしているからです。
また、一般の人が投資で儲かったという話をすると妬まれる可能性がありますし、投資に対して嫌悪感を抱いている人もいるため自分から話すメリットが少ないんです。
一方で大損したという話は会話のネタになりますし同情してもらいたいという気持ちなどから世の中に発信する人が多いんです。
これにより投資は危険なものという認識が広まっているわけですね。
3. 証券会社会社や運用会社へのコストが高すぎる。
対面証券を利用する場合、株の売買の度に証券会社に約1%の手数料を取られてしまいます。
買って売るだけで2%です。
これが高いか安いかに関してですが、世界トップクラスの運用実績を出しているハーバード大学の運用成績は過去20年間で平均して年率12%程のリターンとなっています。
ということは1年間に何回も売買を繰り返すと利益の大半が手数料で消えてしまうということです。
また、投資信託やファンドラップなどは金融機関が安定収益を出すために生み出された商品も多く、保有している期間中ずっとコストを払い続けなければいけません。
これらの理由により、高い利益を出しにくくなっているんです。
4. 日本株は長い期間低迷している。
日本の株価は上げ下げはあっても長期で見ると回復傾向にあります。
しかし、実は1989年に日経平均は3万8,915円を付けていたんです。
そしてその後、バブルが崩壊して日本の株式や不動産の価値が大きく下落しました。
それから先もITバブルの崩壊やリーマンショックによる急落などにより、株価は長い間低迷してしまっているわけです。
30年前の株価に未だに到達しないのは悲しいですね。
一方で世界の株価は右肩上がりに伸びていっています。
例えばアメリカのNYダウは20年前は8,000ドルでしたが今は2万4,000ドルまで上がっています。
つまり、この20年間で日本株がほとんど上がっていないにも関わらずアメリカ株は3倍にもなっているということです。
この現状では日本人は資産運用をしようという考えになりにくいですし、資産が増えるといった体験をする人も少なくて当然ですよね。
どのように投資すれば資産を増やしていけるのか・・・
私は今回紹介した4つの内容が日本で「投資で儲かった」という人が少ない理由だと思っています。
しかし、投資は正しく行えば個人の資産形成に大いに役立ってくれるものです。
ではどのように投資すれば資産を増やしていけるのでしょうか。
結論、一番大事なのは自分で金融知識を身に付けることです。
今は本やネットで誰でも簡単に情報を得れる時代なんです。
自分の資産を増やすのですから人をあてにせずにしっかりと自分で学んでいきましょう。
そうすることで今回紹介した儲からない理由を消していくことができます。
例えば自分で良い銘柄を選べば投信やファンドラップを使う必要はなくなりますし、ネット証券を利用することでコストを低くできます。
そして日本の株だけでなく、世界中の株や債券、REITなどに分散して投資する大切さもわかってきます。
人生100年時代と言われている現代において、若いうちからお金について学ぶことは自分自身の人生を豊かにしてくれます。
楽しく学んで幸せな人生にしていきましょう。